命の輝きが、残酷で平等な世界の中で光を増していく――。

今、生きていること。その畏れと歓びを描き切った渾身の書き下ろし長編小説！

「とてもとてもわかりにくいとは思いますが、この小説は今回の大震災をあらゆる場所で経験した人、生きている人死んだ人、全てに向けて書いたものです。」――よしもとばなな

ある日、小夜子を襲った自動車事故。同乗していた恋人は亡くなり、自身はお腹に鉄の棒が刺さりながらも死の淵から生還するが、それを機に小夜子には、なぜか人には視えないものたちが見えるようになってしまった。行きつけのバーに行くと、いつもカウンターの端にいる髪の長い女性に気付いたり、取り壊し寸前のアパート「かなやま荘」の前を通ると、二階の角部屋でにこにこと楽しそうにしている小柄な女性がいたり……。その「かなやま荘」の前で出会った一人の青年・アタルと言葉を交わすうちに、小夜子の中で止まっていた時間がゆっくりと動き始める。事故で喪ってしまった最愛の人。元通りにならない傷を残した頭と体。そして、戻ってこない自分の魂。それでも、小夜子は生き続ける。命の輝きが、残酷で平等な世界の中で光を増していく。今、生きていること。その畏れと歓びを描き切った渾身の書き下ろし。

作者簡介

吉本芭娜娜

1964 年生，東京人，日本大學藝術學文藝科畢業。

本名吉本真秀子，1987 年以小說《我愛廚房》獲第六屆「海燕」新人獎，正式踏入文壇。1988年《廚房》榮獲泉鏡花文學獎，同年《廚房》、《泡沬∕聖域》榮獲藝術選獎文部大臣新人獎。1989年以《柬鳥》贏得山本周五郎獎，1995 年以《甘露》贏得紫式部文學獎，2000年以《不倫與南美》榮獲文化村杜馬哥文學獎。

為日本當代暢銷作家，作品獲海外30多國翻譯及出版。於義大利1993年獲思康諾獎、1996年的Fendissime文學獎〈Under 35〉和銀面具文學獎等三項大獎。

著有《廚房》、《泡沬∕聖域》、《甘露》、《哀愁的預感》、《蜥蜴》、《白河夜船》、《蜜月旅行》、《無情∕厄運》、《身體都知道》、《N．P》、《不倫與南美》、《柬鳥》、《王國vol.1 仙女座高台》、《虹》、《羽衣》、《阿根廷婆婆》、《盡頭的回憶》、、《王國vol. 2 悲痛、失去事物的影子，以及魔法》、《王國vol. 3 祕密的花園》、《雛菊的人生》、《食記百味》、《王國vol. 4 另一個世界》、《喂！喂！下北澤》、《橡子姊妹》、《原來如此的對話》（和心理學家河合隼雄對談）等。

譯者簡介

陳寶蓮

輔仁大學日文系畢業、文化大學日文研究所碩士。曾任東吳大學日文系講師，中國時報編譯。譯有《身體都知道》、《不倫與南美》、《王國vol.1 仙女座高台》、《虹》、《羽衣》、《阿根廷婆婆》、《王國 vol.2 悲痛、失去事物的影子、以及魔法》、《王國 vol.3 秘密的花園》、《王國 vol.4 另一個世界》、《食記百味》、《橡子姊妹》等。