恩田 陸（おんだ りく、本名: 熊谷 奈苗（くまがい ななえ）、1964年10月25日 - ）は、日本の女性小説家。宮城県仙台市生まれ。早稲田大学教育学部卒業。ペンネームは『やっぱり猫が好き』の恩田三姉妹に由来する。
郷愁的な情景を描くのが巧みで、“ノスタルジアの魔術師”と称される。ファンタジーの賞からデビューしたが、ジャンルの枠にとらわれず、SF、ミステリー、またはクロスジャンルの作品と、幅広く執筆している。
経歴
父親の仕事の関係で、中学3年から高校卒業までを茨城県水戸市で過ごす。茨城県立水戸第一高等学校では新聞部に所属。早稲田大学在学中はハイソサエティー・オーケストラに所属し、アルト・サックスを演奏していた。卒業後、アクサ生命保険のOLをしながら作家活動を開始[要出典]。
1991年、『六番目の小夜子』が第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となり、翌年に刊行、作家デビューを果たす。1993年、『球形の季節』で第5回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作。2000年に『六番目の小夜子』がテレビドラマ化。続いて2001年には『ネバーランド』がテレビドラマ化された。また、この際、恩田はV6の歌う主題歌『出せない手紙』の作詞をセキヤヒサシ名義で行っている。同年、『ライオンハート』で第14回山本周五郎賞候補、同作で第22回吉川英治文学新人賞候補。2002年、『木曜組曲』が映画化。『黒と茶の幻想』で第23回吉川英治文学新人賞候補。
2005年、『Q&A』で第58回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補。『ユージニア』で第133回直木賞候補。同年、『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第2回本屋大賞も受賞し、「『本の雑誌』が選ぶ2004年度ベスト10」にも選出される。2006年、『蒲公英草紙 常野物語』で第134回直木賞候補。『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門受賞。『夜のピクニック』が映画化。2007年には『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞受賞。戯曲「猫と針」を演劇集団キャラメルボックスに提供。江戸川乱歩賞選考委員に就任した。2009年、『きのうの世界』で第140回直木賞候補。
作品リスト
小説
* 六番目の小夜子（1992年 新潮文庫、書き下ろし）
* 球形の季節（1994年 新潮社 / 1999年 新潮文庫、書き下ろし）
* 不安な童話（1994年 祥伝社ノン・ノベル / 祥伝社文庫 / 新潮文庫、書き下ろし）
* 三月は深き紅の淵を（1997年 講談社 / 2001年 講談社文庫）
o 第一章 待っている人々（『メフィスト』1996年4月増刊号）
o 第二章 出雲夜想曲（『メフィスト』1996年8月増刊号）
o 第三章 虹と雲と鳥と（『メフィスト』1996年12月増刊号）
o 第四章 回転木馬（『メフィスト』1997年5月増刊号） - 単行本化の際に全面改稿
* 光の帝国 常野物語（1997年10月 集英社 / 2000年 集英社文庫）
o 大きな引き出し（『小説すばる』1994年12月号）
o 二つの茶碗（『小説すばる』1995年3月号）
o 達磨山への道（『小説すばる』1995年6月号）
o オセロ・ゲーム（『小説すばる』1995年7月号）
o 手紙（『小説すばる』1995年9月号）
o 歴史の時間（『小説すばる』1996年7月号）
o 草取り（『小説すばる』1997年5月臨時増刊号）
o 光の帝国（『小説すばる』1995年12月号）
o 黒い塔（『小説すばる』1997年1月号・2月号）
o 国道を降りて…（『小説すばる』1997年5月号）
* 象と耳鳴り（1999年11月 祥伝社 / 2003年 祥伝社文庫）
o 曜変天目の夜（『ミステリマガジン』1995年11月臨時増刊号）
o 新・D坂の殺人事件（『青春と読書』1998年2月号）
o 給水塔（『小説NON』1996年1月号）
o 象と耳鳴り（『小説NON』1997年12月号）
o 海にゐるのは人魚ではない（『小説NON』1997年6月号）
o ニューメキシコの月（『小説NON』1996年8月号）
o 誰かに聞いた話（『小説NON』1998年7月号）
o 廃園（『小説NON』1998年3月号）
o 待合室の冒険（『小説NON』1998年10月増刊号）
o 机上の論理（『小説NON』1999年2月号）
o 往復書簡（『小説NON』1999年6月号）
o 魔術師（書き下ろし）
* 木曜組曲（1999年11月 徳間書店 / 2002年 徳間文庫）
o 初出：『問題小説』1998年4月号 - 1999年8月号、全7回連載
* 月の裏側（2000年3月 幻冬舎 / 2002年 幻冬舎文庫）
o 初出：『ポンツーン』1998年10月号 - 1999年10月号、全15回
* ネバーランド（2000年7月 集英社 / 2003年 集英社文庫）
o 初出：『小説すばる』1998年5月号 - 1999年11月号、全7回連載
* 麦の海に沈む果実（2000年 講談社 / 2004年 講談社文庫）
o 初出：『メフィスト』1998年10月増刊号 - 1999年9月増刊号
* 上と外（2000年 - 2001年 幻冬舎文庫 全6巻 / 2003年 幻冬舎 / 2007年 幻冬舎文庫 上下巻、書き下ろし）
* puzzle［パズル］（2000年 祥伝社文庫 / アンソロジー集『絶海』〔2002年 祥伝社ノン・ノベル〕収録、書き下ろし）
* ライオンハート（2000年 新潮社 / 2004年 新潮文庫）
o エアハート嬢の到着（『小説新潮』1999年5月号）
o 春（『小説新潮』1999年9月号）
o イヴァンチッツェの思い出（『小説新潮』1999年12月号）
o 天球のハーモニー（『小説新潮』2000年5月号）
o 記憶（『小説新潮』2000年9月号）
* MAZE［メイズ］（2001年 双葉社 / 2003年 双葉文庫）
o 初出：『小説推理』2000年7月号 - 2000年11月号
* ドミノ（2001年 角川書店 / 2004年 角川文庫）
o 初出：『KADOKAWAミステリ』2000年8月号 - 2001年5月号
* 黒と茶の幻想（2001年 講談社 / 2006年 講談社文庫 上下巻）
o 初出：『メフィスト』2000年5月増刊号 - 2001年9月増刊号
* 図書室の海（2002年 新潮社 / 2005年 新潮文庫）
o 春よ、こい（『時間怪談』〔1999年 廣済堂文庫 異形コレクション〕収録）
o 茶色の小壜（『血の12幻想』〔2000年5月 スクウェア・エニックス〕収録）
o イサオ・オサリヴァンを捜して（SF-Online『日本SFの航海図』1998年10月）
o 睡蓮（アンソロジー集『蜜の眠り』〔廣済堂〕収録、「麦の海に沈む果実」番外編）
o ある映画の記憶（アンソロジー集『大密室』〔新潮社〕収録〕
o ピクニックの準備（「夜のピクニック」の前日譚、書き下ろし）
o 国境の南（『週刊小説』2000年8月25日号）
o オデュッセイア（『小説新潮』2001年1月号）
o 図書室の海（「六番目の小夜子」の番外編、書き下ろし）
o ノスタルジア（『SFマガジン』1995年8月号）
* 劫尽童女（2002年 光文社 / 2005年 光文社文庫）
o 初出：『ジャーロ』2000年秋号 - 2001年秋号、全5回
* ロミオとロミオは永遠に（2002年 早川書房 / 2006年 ハヤカワ文庫 上下巻）
o 初出：『SFマガジン』1999年3月号 - 2000年6月号、全16回、単行本化の際大幅加筆
* ねじの回転（2002年 集英社 / 2005年 集英社文庫 上下巻）
o 初出：『小説すばる』2000年11月号 - 2002年1月号
* 蛇行する川のほとり（2002年12月/2003年4月/2003年8月 中央公論新社 全3巻 / 2004年 中央公論新社 全1巻 / 2007年 中公文庫）
* まひるの月を追いかけて（2003年 文藝春秋 / 2007年 文春文庫）
o 初出：『オール讀物』2001年7月号 - 2002年8月号、全6回
* クレオパトラの夢（2003年 双葉社 / 2006年 双葉文庫）
o 初出：『小説推理』2002年7月号 - 2003年7月号、全6回
* 黄昏の百合の骨（2004年 講談社 / 2007年 講談社文庫）
o 初出：『メフィスト』2002年5月増刊号 - 2003年9月増刊号、全5回
* 禁じられた楽園（2004年 徳間書店 / 2007年 徳間文庫）
o 初出：『問題小説』2001年1月号 - 2002年4月号
* Q&A（2004年 幻冬舎 / 2007年 幻冬舎文庫）
o 初出：『星星峡』2002年4月号 - 2004年3月号
* 夜のピクニック（2004年 新潮社 / 2006年 新潮文庫）
o 初出：『小説新潮』2002年11月号 - 2004年5月号
* 夏の名残りの薔薇（2004年 文藝春秋 / 2008年 文春文庫）
o 初出：『別冊文藝春秋』2003年5月号 - 2004年3月号、全6回
* ユージニア（2005年 角川書店 / 2008年 角川文庫）
o 初出：『KADOKAWAミステリ』2002年8月号 - 2003年5月号、『本の旅人』2003年7月号 - 2004年9月号、全15回
* 蒲公英草紙 常野物語（2005年 集英社 / 2008年 集英社文庫）
o 初出：『青春と読書』2000年1月号 - 2001年2月号、全14回
* ネクロポリス（2005年 朝日新聞社 上下巻 / 2009年 朝日文庫 上下巻）
o 初出：『小説トリッパー』2001年冬季号 - 2005年春季号、全14回
* エンドゲーム 常野物語（2006年 集英社）
o 初出：『小説すばる』2004年3月号 - 2005年6月号、全6回
* チョコレートコスモス（2006年 毎日新聞社）
o 初出：『サンデー毎日』2004年6月27日号 - 2005年8月7日号、全56回
* 中庭の出来事（2006年 新潮社 / 2009年 新潮文庫）
o 初出：『新潮ケータイ文庫』2003年5月9日 - 2004年2月26日配信、全210回
* 朝日のようにさわやかに（2007年 新潮社）
o 水晶の夜、翡翠の朝（『殺人鬼の放課後』〔2002年 角川スニーカー文庫〕収録）
o ご案内（『讀賣新聞夕刊 2006年4月8日掲載）
o あなたと夜と音楽と（『「ABC」殺人事件』〔2001年 講談社文庫〕収録、書き下ろし）
o 冷凍みかん（『GOD』〔1999年 異形コレクション 廣済堂文庫〕収録、書き下ろし）
o 赤い毬（『i feel』〔紀伊国屋書店発行誌〕2005年冬号）
o 深夜の食欲（『グランドホテル』〔1999年 異形コレクション 廣済堂文庫〕収録、書き下ろし）
o いいわけ（『小説現代』2004年8月号）
o 一千一秒殺人事件（『怪談集 花月夜綺譚』〔2004年 集英社〕収録）
o おはなしのつづき（『飛ぶ教室』2005年夏号）
o 邂逅について（『凶鳥の黒影』〔2004年 河出書房新社〕収録）
o 淋しいお城（『小説現代』2006年4月号）
o 楽園を追われて（『yom yom』〔2006年 新潮社〕創刊号）
o 卒業（電子書籍配信サイト Timebook Town 2006年8月4日 配本)
o 朝日のようにさわやかに（『サントリークォータリー』2006年冬号）
* 木洩れ日に泳ぐ魚（2007年 中央公論新社）
o 初出：『婦人公論』2006年1月22日号 - 2007年2月22日号、全26回
* いのちのパレード（2007年 実業之日本社）
o 観光旅行（『月刊J Novel』2004年4月号）
o スペインの苔（『月刊J Novel』2004年7月号）
o 蝶遣いと春、そして夏（『月刊J Novel』2004年10月号）
o 橋（『月刊J Novel』2005年1月号）
o 蛇と虹（『月刊J Novel』2005年4月号）
o 夕飯は七時（『月刊J Novel』2005年7月号）
o 隙間（『月刊J Novel』2005年10月号）
o 当籖者（『月刊J Novel』2006年1月号）
o かたつむり注意報（『月刊J Novel』2006年4月号）
o あなたの善良なる教え子より（『月刊J Novel』2006年7月号）
o エンドマークまでご一緒に（『月刊J Novel』2006年10月号）
o 走り続けよ、ひとすじの煙となるまで（『月刊J Novel』2007年1月号）
o SUGOROKU（『月刊J Novel』2007年4月号）
o いのちのパレード（『月刊J Novel』2007年7月号）
o 夜想曲（書き下ろし）
* 不連続の世界（2008年 幻冬舎）
o 初出：『ポンツーン』2000年6月号 -
* きのうの世界（2008年 講談社）
o 初出：『東奥日報』他 2005年4月30日 - 2006年3月19日、全316回）
* ブラザー・サン シスター・ムーン（2009年 河出書房新社）
* 訪問者（2009年 祥伝社）
o 初出：『小説NON』2002年1月号 - 2004年1月号、全7回
* 六月の夜と昼のあわいに（2009年 朝日新聞社）
o 恋はみずいろ（『小説トリッパー』2006年冬季号）
o 唐草模様（『小説トリッパー』2007年春季号）
o Y字路の事件（『小説トリッパー』2007年夏季号）
o 約束の地（『小説トリッパー』2007年秋季号）
o 酒肆ローレライ（『小説トリッパー』2007年冬季号）
o 窯変・田久保順子（『小説トリッパー』2008年春季号）
o 夜を遡る（『小説トリッパー』2008年夏季号）
o 翳りゆく部屋（『小説トリッパー』2008年秋季号）
o コンパートメントにて（『小説トリッパー』2008年冬季号）
o Interchange（『小説トリッパー』2009年春季号）
* 私の家では何も起こらない（2010年 メディアファクトリー）
o 初出：『幽』
連載終了・単行本刊行待ちの作品
* 雪月花黙示録（初出：『野性時代』2004年12月号 - 2008年3月号、全23回）
連載中の作品
* デッドライン （『ミステリーズ!』2004年JUNE - ）
* 連作短編（『幽』）- 総称は今のところなし。
* 夜の底は柔らかな幻 （『オール讀物』）
* 愚かな薔薇 （『SF JAPAN』）
* 薔薇のなかの蛇 （『メフィスト』）
* ブラック・ベルベット（『小説推理』2007年11月号 - ）
* 鈍色幻視行（『集英社WEB文芸RENZABURO（レンザブロー）』）
エッセイ集 ・紀行文
* 『恐怖の報酬』日記 酩酊混乱紀行 イギリス・アイルランド（2005年4月、講談社/2008年、講談社文庫）
o 初出：『IN★POCKET』2004年1月号 - 2004年10月号、全10回
* 小説以外（2005年 新潮社 / 2008年 新潮文庫）
* メガロマニア――あるいは「覆された宝石」への旅（2009年5月、日本放送出版協会）
戯曲
* 猫と針（2008年2月、新潮社）
共著
* 読書会（2007年1月、徳間書店）
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很不错的书
感觉真是不错。
很精彩，观点角度十分有趣
不同的观点！